実写映画の完成度を決定づけたのは、大ヒット作『君の膵臓をたべたい』を手掛けた月川翔監督による緻密な映像美と、若手実力派キャストの演技合戦です。
死の恐怖に怯えながらも天真爛漫に振る舞う渡良瀬まみず役を演じた永野芽郁さんは、病室という限られた空間の中で、瞳の輝きや声の震えを通じて感情の機微を表現。撮影当時、彼女が見せた迫真の涙のシーンは、スタッフ陣からも感嘆の声が上がったと報じられています。一方、影を背負った岡田卓也役の北村匠海さんは、抑制された佇まいの中に深い悲哀と再生への渇望を宿らせ、物語のアンカーとしての重責を見事に果たしました。
また、物語を彩る脇役陣も豪華そのものです。卓也の同級生・香山彰役の甲斐翔真さん、まみずの母親役の長谷川京子さん、卓也の姉の元恋人役を演じた及川光博さんらが作品に厚みを加えています。
映画の雰囲気を決定づけるロケ地(撮影場所)も見逃せません。劇中で象徴的に登場する屋上や病院のシーン、そして2人の心情を映し出す美しい街並みは、関東近郊のロケーションを巧みに組み合わせて撮影されました。特に夕景や月夜のシーンはCGと実写のライティングが高度に融合され、幻想的な世界観を構築しています。
そしてエンディングを飾るSEKAI NO OWARIの主題歌『蜜の月 -for the film-』は、儚くも温かいサウンドで観客を包み込み、映画の余韻を決定づける重要なピースとなりました。