寛一郎さんの演技力に対する評価を決定づけたのが、2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』における公暁(くぎょう)役です。三代将軍・源実朝を暗殺するという日本史上の大事件を引き起こす難役に対し、狂気と悲哀、宿命に翻弄される若者の危うさを見事に体現。雪の鶴岡八幡宮での壮絶な暗殺シーンは、視聴者や批評家から「鳥肌が立つほどの怪演」「三國連太郎の眼光が宿っていた」と絶賛の嵐を巻き起こしました。
さらに、阪本順治監督が手がけたモノクロ映画『せかいのおきく』では、江戸時代の長屋で糞尿を買い集める下肥買いの青年・中次役を好演。言葉を発せないヒロイン(黒木華さん)との純粋で切ない心の交流を、土臭くも澄んだ佇まいで描き出し、国内外の映画祭で高い評価を獲得しました。
近年の出演作でも、単なるイケメン枠にとどまらない「陰影のある役柄」「泥臭く人間味あふれるキャラクター」を自在に演じ分けており、業界内のプロデューサーや映画監督からの信頼は非常に厚いものとなっています。