見た目のインパクトから「鬼柚子(オニユズ)」や「獅子柚子(シシユズ)」と呼ばれ親しまれていますが、植物学上は柚子(ユズ)の仲間ではなく、文旦(ブンタン/ザボン)の亜種に分類されます。そのため、通常の柚子のように果汁を搾って鍋料理の風味付けやポン酢作りに使うと、「果汁がほとんど出ない」「果肉がパサパサしている」と失敗する原因になります。
鬼柚子の重量はおよそ500gから1kg超に達しますが、その重量の約70〜80%を占めるのが外皮と分厚い白皮(アルベド/ワタ)です。このワタこそが料理の主役となります。
栄養面においても、鬼柚子には注目すべき健康成分が凝縮されています。特に果皮やワタの部分には、抗酸化作用や免疫力維持に関わるビタミンCをはじめ、毛細血管を強化して血流改善を促すポリフェノールの一種ヘスペリジン(ビタミンP)、そして整腸作用や血糖値の急上昇を抑える水溶性食物繊維のペクチンが極めて豊富に含まれています。縁起物として飾るだけでなく、丸ごと調理して体内に取り入れることで、冬場の体調管理にも絶大な効果を発揮します。