乙武氏の近年の活動において、最も国内外から高い評価と注目を集めているのが、ソニーコンピュータサイエンス研究所(Sony CSL)の遠藤謙研究員らと共同で進めてきた「OTOTAKE PROJECT(義足プロジェクト)」です。
生まれつき手足がない乙武氏が、最先端のロボット義足とモーター制御技術を装着し、二足歩行に挑むこの取り組みは、単なるリハビリテーションの域を完全に超えています。筋力やバランス感覚をゼロから鍛え直し、一歩一歩前進する姿はドキュメンタリー番組や学術発表を通じて世界中に配信されました。
このプロジェクトがもたらした最大の功績は、「障害者が健常者に近づくためのリハビリ」という旧来の福祉的アプローチを、「人間の身体能力をテクノロジーで拡張する先進的試み」へとパラダイムシフトさせた点にあります。国立競技場のトラックを自らの義足で歩いた瞬間は、多くのメディアで大々的に報道され、テクノロジーの未来に大きな希望を与えました。