箕面の滝道を歩く醍醐味のひとつが、漂う香ばしい油の香りとご当地グルメです。その象徴である「もみじの天ぷら」は、単なる観光土産ではなく、約1300年もの歴史を持つ修験道由来の伝統銘菓です。
伝承によれば、箕面山で修行を行っていた役行者(えんのぎょうじゃ)が、秋の紅葉の美しさに感銘を受け、灯明油でモミジの葉を揚げて旅人に振る舞ったのが発祥とされています。現代で作られているもみじの天ぷらは、落ち葉を拾って揚げているわけではありません。自家農園などで無農薬栽培された「一行寺楓(いっぽんじかえで)」の葉を丁寧に収穫し、1年以上の歳月をかけて塩漬けにしてアクを抜いた後、小麦粉・砂糖・白ごまを合わせた特製の衣をまとわせてカリッと揚げられます。上品な甘みと香ばしい胡麻の風味、ポリポリとした歯ごたえは、かりんとうに似た奥深い味わいです。
また、春から初秋にかけて箕面を訪れるなら、清流のせせらぎを真下に望む「箕面川床」が極上の体験を提供してくれます。「音羽山荘 梅屋敷」や「川床 磯よし」などが出店する川床では、涼やかな川風を感じながら季節の会席料理や鮎の塩焼きを堪能できます。川床営業は完全予約制または組数限定となることが多いため、訪問日の数週間前からの事前予約が必須です。
滝道沿いには他にも、大正時代の洋館や古民家をリノベーションした隠れ家カフェが点在しています。散策の合間に挽きたてのスペシャリティコーヒーや、地元箕面特産の柚子(ゆず)を使ったスイーツで一息つく時間は、都会の喧騒を忘れさせてくれる至福のひとときです。