抹茶スイーツの真髄を語る上で欠かせないのが、萬延元年に宇治で創業した辻利の歴史である。幕末の動乱期において茶園が荒廃する中、創業者の辻利右衛門は玉露の茶葉を保存する「茶櫃(ちゃびつ)」を発明し、宇治茶の品質維持と流通に革命をもたらした。彼の情熱とパイオニア精神は、現代の甘味処で提供される豊かな抹茶メニューのすべての土台となっている。
鮮やかな深緑色と芳醇な香りを誇る抹茶パフェや抹茶かき氷は、いまや国内外の甘スイーツファンを惹きつけて止まない。辻利右衛門が遺した質の追求と妥協なき茶葉選定の遺伝子は、今も一杯の点てたて抹茶や、贅沢に抹茶を使用した特製パフェの層一つひとつにまで深く息づいている。一口含んだ瞬間に広がる上品な苦みと、余韻として残る豊かな甘みは格別だ。