メンタルの変調は、ある日突然劇的に起こるわけではない。日常のささいな違和感として現れ、本人が気づかないうちに水面下で進行していく。「単なる疲れ」と片付けてしまいがちな異変こそが、心と身体が発する緊急のSOSである。
初期段階で最も顕著に現れるのが、睡眠のリズムと食欲の急激な変化だ。夜間に何度も目が覚める中途覚醒や、明け方に強い不安感とともに目覚めてしまう早朝覚醒が続く場合、自律神経のバランスはすでに臨界点に達している。これまで楽しめていた音楽や動画、趣味に対して一切の興味が失われる「アンヘドニア(快感消失)」も典型的な危険信号だ。面接の準備をしようと机に向かっても文章が頭に入らず、同じ行を何度も読み返してしまう集中力の低下は、脳の疲労が限界を超えている証拠にほかならない。
また、身体症状として現れる理由のない微熱、慢性的な頭痛、胃腸の不調、突然の涙なども見逃せないサインだ。「選考が終われば治るはずだ」と無理を重ねると、回復までに年単位の時間を要する深刻な病態へと移行する危険性がある。少しでもこれらの兆候を自覚したなら、活動のペースを落とし、専門家に相談する勇気を持つ必要がある。