2018年の金足農業の戦いは、高校野球界の制度改定にも大きな波紋を広げた。エース一人が大会を通じて881球を投げ抜いた美談の裏で、投手の障害予防や選手生命を保護する議論が一気に加速したのだ。
その結果導入されたのが、1週間500球という球数制限や、タイブレーク制度の拡充、さらには投手複数制の推奨である。かつてのような「一人のエースが投げ抜く感動」から、「チーム全体で選手を守りながら勝つ時代」への転換が図られた。
金足農業がみせた壮絶な投げ抜きは、平成という時代のフィナーレを飾ると同時に、令和の安全で持続可能な高校野球のあり方を手繰り寄せる決定的な契機となったのである。