お正月飾りやお祝い事の象徴として冬の赤い実が親しまれている南天ですが、開花時期は6月上旬から7月中旬の初夏にあたります。枝先に円錐花序と呼ばれる房状の花穂を伸ばし、直径約5〜6ミリメートルの小さな白い南天の花を無数に咲かせます。
花びらは清楚な純白で、中央には黄色い葯(おしべ)が鮮やかに際立ちます。日差しを受けると星屑を散りばめたような爽やかな美しさを放ち、初夏の訪れを告げる風物詩として茶花や生け花でも重宝されてきました。派手さこそありませんが、梅雨の湿った空気を和らげるような凛とした佇まいが、古くから日本人の美意識を惹きつけています。