プラント保全や設備管理の現場で日常的に相談されるトラブルが、「仕切弁のハンドルが固くて回らない」「開閉に異常な腕力が要る」という現象です。SNSや知恵袋等のコミュニティでも頻繁に話題となりますが、原因を突き止めずに無理な操作を行うと弁棒をねじ切る致命傷に至ります。
ハンドルが固着する主な原因は以下の4点に集約されます。
- グランドパッキンの劣化・過締め付け:流体漏れを防ぐパッキン部が硬化している、または漏れ止めのためにボルトを締めすぎて弁棒を圧迫している。
- 弁棒(ステム)のねじ部のかじり・錆び:大気側や湿潤環境に露出した弁棒の給油不足(グリス切れ)により、金属同士が摩擦凝着を起こしている。
- 配管内圧の上昇(中間室の異常昇圧):弁内部に閉じ込められた流体が温度上昇に伴い熱膨張し、弁体を強烈な力で弁座に押し付けている。
- 異物(スケール・砂)の噛み込み:底部シート面に配管内の錆粉や異物が挟まり、物理的に弁体がロックしている。
【現場で厳禁とされるNG行動】
ハンドルに単管パイプやパイプレンチを差し込んでテコを効かせ、過大なトルクで強引に回す行為は厳禁です。スピンドルのねじ山が潰れるか、ボンネット内部で弁棒が破断し、弁体が落ちたまま復旧不能(全閉固着)に陥るリスクがあります。浸透潤滑剤の塗布、グランドボルトの微調整、配管の前圧抜きを順を追って行うのが保全の鉄則です。