加藤茶の俳優人生において最大の転機であり、世間にその演技力の高さを知らしめたのが、2001年放送のNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』です。演じたのは、ヒロイン・恵里が暮らす一風館の住人である島田大心(しまだ たいしん)役でした。
島田は、かつて腕利きの外科医でありながら医療事故によって心を閉ざし、人との関わりを拒絶して生きるという非常に重く影のある役柄でした。普段の明るい「加トちゃん」のパブリックイメージを完全に封印し、言葉少なに背中で悲哀を語る姿は、当時の視聴者に強烈な衝撃を与えました。
物語中盤、主人公や住人たちの温かさに触れて凍りついた心が溶け出し、涙を流しながら再生へと向かうシーンは、朝ドラ史上に残る屈指の名場面として知られています。SNSやドラマファンの間でも「普段のお笑いとのギャップで涙が止まらなかった」「加藤茶がこれほど重厚な芝居をするとは思わなかった」と絶賛され、名優としての評価を不動のものにしました。