新梅田食道街のルーツは、1950年(昭和25年)にまで遡ります。第二次世界大戦後の混乱期、旧国鉄(現在のJR)の退職者救済を目的に、わずか18店舗の小規模な飲食店街として産声を上げました。「食堂街」ではなく「食道街」と名付けられた背景には、単なる食事処にとどまらず「食の道を極める」という創業者たちの並々ならぬ自負が込められています。
現在では1階と2階を合わせて約100店舗が集結していますが、JR線の高架下という特殊な耐震構造と増改築の歴史から、内部はまるで迷路のような入り組んだ構造をしています。公式フロアマップを一目見ただけでは現在地を見失う人が後を絶ちません。
JR大阪駅の「御堂筋南口」改札を出て横断歩道を渡るか、阪急大阪梅田駅の「中央改札口」階下から向かうのが最も分かりやすいアクセスルートです。しかし、一歩足を踏み入れれば、そこはスマートフォン越しに見るモダンな大阪とは別世界の昭和レトロ空間。天井の低さ、細い通路、壁一面に貼られた短冊メニューが、訪れる者を一瞬でノスタルジーの渦へと引き込みます。