筆者は今回の検証にあたり、SNS上で韓国風アイコンを常用する10代〜30代の男女、およびコミュニティ掲示板(知恵袋や各種SNSコミュニティ)の書き込み数百件を定性分析しました。そこで浮かび上がったのは、単なる「流行への追従」ではない、極めて現実的で防衛的なユーザー心理です。
都内の大学に通う女子学生(21歳)は、次のように打ち明けます。
「実物の自撮りをLINEのアイコンに設定するのは自意識過剰に見られそうで抵抗がある一方、ペットや風景画だけだと誰のアカウントか分からなくなる。韓国のカフェで撮ったような後ろ姿やニュアンス線画なら、自意識を前面に出さずに『それっぽいおしゃれな雰囲気』だけを演出できる。人間関係の角が立たない絶妙な落としどころなんです」
また、都内IT企業に勤める男性会社員(26歳)は、ビジネス用チャットツールと私用SNSのアイコンを韓国風モノクロ線画で統一しているといいます。
「アニメのアイコンだとオタクっぽさが先行し、証明写真だと堅苦しすぎる。韓国風のミニマルなイラストアイコンは、性別を問わず清潔感と知的さを両立できるため、初対面の人とつながる際も余計な偏見を持たれにくいメリットがあります」
現場の声が証明しているのは、韓国風アイコンが「自己顕示をスマートに抑制しつつ、他者からの好感度を最大化するための安全なシールド」として機能しているという事実です。