多くの観客が無罪判決の逆転劇を期待するなか、言い渡された主文は「懲役3か月、執行猶予3年」の有罪判決でした。法廷に響き渡る有罪宣告は、徹平のみならず法廷内の全員に重い沈黙をもたらします。
裁判長が有罪とした決定的な理由は、「被害者である少女の供述が終始一貫しており、虚偽の申告をする動機が見当たらない」という点に集約されていました。弁護側が提示した精密な現場検証や証言の矛盾よりも、法廷では「被害者の主観的な証言の信用性」が圧倒的に優先されたのです。物証が存在しない痴漢事件において、被害感情と初期の供述調書が裁判官の心証形成を決定づけてしまう構造が露骨に示されました。
判決後、徹平が法廷を見つめながら心の中でつぶやく「裁判官は、真実ではなく法廷に出された証拠だけで判断する。自分を裁けるのは自分だけだ」という独白は、本作の象徴的な名シーンです。無罪を勝ち取るまで戦い続ける決意を固め、控訴手続きを取る徹平の背中を映しながら、映画は幕を閉じます。