石垣島最高峰の於茂登岳(おもとだけ)北麓に広がる米原地区。ここに群生するヤエヤマヤシは、ヤシ科の中でも「1属1種」という極めて希少な植物であり、1972年に国の天然記念物に指定されました。幹の太さは直径30センチ以上、樹高は高いもので20メートル近くに達し、波打つように広がる大きな羽状複葉が特徴です。
群落内に足を踏み入れると、頭上を覆い尽くす巨大な葉の間から木漏れ日が差し込み、南国特有の濃密な空気が漂います。ヤエヤマヤシだけでなく、巨大な板根(ばんこん)を持つギランイヌビワやオオタニワタリなどの着生植物が共生しており、本州では決して見られない生物多様性に富んだ独自の生態系を間近で観察できるのが最大の見どころです。