セキセイインコの性別判定において、最も基本的かつ決定的な指標となるのが、くちばしの付け根にある鼻の皮膚組織「蝋膜(ろうまく)」です。通常、生後半年を過ぎて成鳥となったノーマルやオパーリンなどの一般的な品種では、ホルモンバランスの影響によって蝋膜の色が明確に分かれます。
オスの蝋膜は鮮やかな青色や濃いスカイブルーへと変化します。男性ホルモン(テストステロン)の分泌が活発になることで青みが深まり、健康状態の良さを示すバロメーターにもなります。一方、メスの蝋膜は白っぽい青色(淡い水色)、クリーム色、あるいは茶色を呈します。メスの体内にあるエストロゲンの濃度が高まる発情期には、蝋膜が赤褐色から濃い茶色へと変化し、表面が角質化してカサカサと盛り上がる特有の現象が見られます。
ここで多くの飼い主を不安にさせるのが、「セキセイインコの鼻の青から茶色への変化」です。元々水色っぽかった蝋膜が茶色く盛り上がってきた場合、それは病気ではなく「メスが成熟して発情期に入った証拠」です。発情期が過ぎると再び茶色い皮がポロリと剥がれ落ち、下から白や薄い水色の滑らかな皮膚が現れます。
しかし、成鳥のオスで「元々青かった蝋膜が茶色や茶褐色に変色してきた」というケースは厳重な警戒が必要です。精巣腫瘍などによって体内の女性ホルモンが過剰分泌される「女性化現象」の疑いがあり、速やかな小鳥専門動物病院での受診が求められます。