名付けにおいて、多くの親を最も深い迷宮へと誘うのが姓名判断 画数の壁です。ネット上の無料診断サイトに入力するたび、サイトごとに「大吉」と「大凶」が正反対に出て困惑した経験を持つ人は後を絶ちません。
画数の流派による乖離のからくり
姓名判断には熊﨑式、桑野式、五行思想系など複数の流派が存在します。最大の乖離を生むのが「漢字の画数をどう数えるか」という根本的なルールです。例えば、日常使われている新字体(現在の字形)の画数で計算する流派もあれば、康熙字典(旧字体)をベースにし、「氵(さんずい)」を水(4画)、「扌(てへん)」を手(4画)、「艹(くさかんむり)」を艸(6画)としてカウントする流派もあります。
このため、同じ「莉子」という名前でも、新字体では「10画+3画=13画(大吉)」と判定される一方で、旧字体重視の流派では「12画+3画=15画(大吉)」、あるいは異なる配置関係で凶数と判定されるといった現象が日常的に起きています。どのサイトを使うかによって結果が真逆になる世界に、絶対的な唯一の正解は存在しません。
戸籍法改正がもたらした「読み」の新しいリアリティ
2026年を生きる私たちにとって、画数以上に注意を払うべきは「社会的な受容性」です。かつて横行した「光宙(ぴかちゅう)」のような極端な当て字は法改正によって一線を引かれましたが、「理」を「あや」と読ませたり、「莉」を「れい」と読ませるような、一般的とは言い難い変則的な読みを無理に適用すると、役所や医療機関、将来の行政手続きで終生にわたり訂正を求められる不利益を子ども自身が被ることになります。ネット上の画数合わせのために不自然な漢字の読みを充てることは、本末転倒の極みと言えます。