同じような外見の紺無地ジャケットやニットであっても、店頭で3万円の札が付いているものと、30万円の値札が下がるものがあります。この極端な価格差の理由は、「素材の調達元」「縫製工法」「生産国」の3点に集約されます。
メインラインのポロでは、日常着としてのタフな耐久性と手入れのしやすさを重視し、中国、ベトナム、フィリピンなどの提携工場で機械による安定した大量生産を行っています。これに対してパープルレーベルなどの上位ラインは、英国やイタリアの老舗ミル(織物工房)が手掛ける極少ロットの超高級原反を用い、腕利き職人が手作業でイセ込みやステッチを施すため、工数が桁違いにかかります。生地の滑らかさ、羽織ったときの肩の軽さ、立体的なドレープ感において、物理的なコストの差がそのまま価格に反映されているわけです。
また、多くの消費者が疑問を抱くアウトレット品とプロパー(百貨店・路面店)品の違いにも、明確な業界のからくりがあります。アウトレットモール等で販売されている商品には、主に以下の2種類が混在しています。
一つは、前シーズンや過剰在庫となった正規のプロパー品が値引きされた「キャリー品」。そしてもう一つが、最初からアウトレット店舗での低価格販売を前提に作られた「ファクトリー専用品」です。後者はデザインこそ定番に似せていますが、生地のオンス(厚み)を抑えたり、貝ボタンをプラスチック製に変えたり、タグの印字や内タグの品番形式(RN番号など)を簡略化することで原価を抑えています。決して粗悪品ではありませんが、「直営店で売られている定番品と全く同じものが半額で買える」というわけではない点を理解しておく必要があります。