ハンドリガードとは?いつからいつまで見られるか発達の真相を解説

ハンドリガードとは?いつからいつまで見られるか発達の真相を解説

ハンドリガードとは?いつからいつまで見られるか発達の真相を解説の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

ハンドリガード(Hand regard)とは、直訳すれば「自分の手を注視する」という意味の小児発達用語です。生後間もない新生児にとって、自分の手足はベッドの柵や天井の照明と同じく、「外界にある何か」と区別がついていません。それが生後2ヶ月から3ヶ月頃になると、脳の神経回路が急速にシナプス結合を広げ、自分の意志で動かせる手という器官の存在に初めて気がつきます。

この現象の背景には、高度な神経発達と視覚の進化が存在します。生まれたばかりの赤ちゃんの視力は0.01〜0.02程度で、明暗がおぼろげに分かる程度ですが、生後2ヶ月を過ぎると焦点距離が20〜30cm(授乳時に親の顔を見る距離)に定まり、動くものを目で追う「追視」が可能になります。その視界に、偶然自分の拳が入り込むことで、驚きと探求のプロセスが幕を開けます。

赤ちゃんが手をじっと見つめる心理の根底にあるのは、「見えているもの」と「動かしている感覚」の一致に対する強烈な知的探求心です。発達心理学および神経科学では、これを身体図式(ボディスキーマ)の獲得と呼びます。脳が「目で見ているこの手は、自分が指令を出して動いている自分の体の一部なのだ」と認識する、まさに自己と外界を切り分ける最初の認知革命が、あの静かな凝視の中で繰り広げられているのです。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。