SNSやネット掲示板、Q&Aコミュニティを分析すると、夏場における足の皮がむけるネットの反応には顕著なパターンが存在します。「足の皮がむけたから薬局で水虫薬を買って塗ったら、真っ赤に腫れ上がって激痛が走った」「かゆくないから保湿クリームだけ塗っていたら家族全員にうつってしまった」といった生々しい失敗談が毎年数多く投稿されています。
大手皮膚科クリニックグループの診療現場におけるヒアリング調査でも、この傾向は如実に裏付けられています。都内の専門医は次のように警鐘を鳴らします。
「皮がむけている患者さんの約3割は、水虫ではなく汗疱や接触性皮膚炎です。その状態の足に市販の強い抗真菌薬(水虫薬)を塗布してしまうと、薬に含まれるアルコールや防腐剤、強い殺菌成分によって接触皮膚炎(かぶれ)を併発し、皮膚のバリア機能が崩壊して浸出液が出るほどの重症化を招くケースが後を絶ちません」
また、ネット上で散見される「皮を引っ張って剥がすのが快感」「軽石ややすりで削り落とせば綺麗になる」という民間療法も極めて危険です。まだ角化が完了していない未熟な表皮組織を無理やり剥がすと、真皮層に近い毛細血管を傷つけ、そこから黄色ブドウ球菌などの細菌が侵入して「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」という重篤な化膿性炎症を引き起こす危険性があります。
「皮がむける=削る・剥がす・殺菌する」という直感的なセルフケアは、皮膚科学的には百害あって一利なしです。まずは物理的刺激を避け、剥がれかけの皮は眉切りバサミなどで根元から浮いた部分だけを慎重にカットするのが医学的に安全な処置とされています。