中学校第1学年の「平面図形」において、定規とコンパスだけを使って円の中心を作図する問題は、定期試験のみならず公立高校入試でも頻出する重要テーマです。中心が分からない円が1つ与えられたとき、最も確実かつ厳密に中心を特定できるのが、弦の垂直二等分線を利用する方法です。
作図の手順は驚くほどシンプルですが、正確な手順を踏まないと交点がずれてしまいます。具体的なステップは以下の通りです。
- 円周上に適当に異なる3つの点(A、B、C)を取る。
- 点Aと点B、点Bと点Cをそれぞれ結び、2本の弦(ABおよびBC)を引く。
- 点Aと点Bを中心として、線分ABの長さの半分より大きな等しい半径で円弧を描き、その2つの交点を結んで「弦ABの垂直二等分線」を引く。
- 同様の操作を点Bと点Cの間でも行い、「弦BCの垂直二等分線」を引く。
- 2本の垂直二等分線が交わった交点こそが、求める円の中心Oとなる。
なぜこの手順で中心が求まるのかという円の中心が交わる幾何学的理由には、明確な論理的裏付けがあります。幾何学において「線分の垂直二等分線上の点は、その線分の両端から等しい距離にある」という鉄則が存在します。弦ABの垂直二等分線上のあらゆる点は、点Aからの距離と点Bからの距離が等しくなります。円の中心Oは、円周上の点A、B、Cのすべてから等しい距離(半径 $r$)にあるため、必然的に弦ABの垂直二等分線上にも、弦BCの垂直二等分線上にも存在しなければなりません。したがって、その2直線が交わる唯一の交点が、円の中心Oとして確定する仕組みです。
この考え方は、高校入試でも頻出する三角形の外心と外接円の作図と完全に一致しています。円周上の3点A、B、Cを結んでできる△ABCにおいて、各辺の垂直二等分線の交点は「外心」と呼ばれ、外接円の中心となります。つまり、円の中心を求める作図とは、円周上の任意の3点を結んだ三角形の外心を求めている操作そのものなのです。