取材現場や韓国語学習コミュニティの調査において、独学を始めたばかりの学習者が共通して直面する「3つの壁」が浮き彫りになっています。良かれと思って使った表現が、ネイティブにとって違和感や聞き取りづらさの原因になっているケースは少なくありません。
1つ目の失敗は、「日本語の直訳による過度な硬さ」です。教科書の第1章によく掲載されている「제 이름은 〇〇입니다(私の名前は〇〇です)」は文法的に間違いではありませんが、日常の会話では少しかしこまりすぎた印象を与えます。親しみやすい場では「저는 〇〇(이)라고 합니다(私は〇〇と申します)」や「저는 〇〇이에요/예요(私は〇〇です)」を使うほうが、現代の日常会話として自然に響きます。
2つ目は、「敬語体系(ハムニダ体とヘヨ体)の不自然な混在」です。韓国語にはフォーマルな「-ㅂ니다/습니다(ハムニダ体)」と、柔らかい敬語である「-아/어요(ヘヨ体)」が存在します。自己紹介の冒頭で「처음 뵙겠습니다(チョウム ペプケッスムニダ)」と最上級の敬語を使った直後に、タメ口に近い崩した表現を混ぜてしまうと、相手にちぐはぐな印象を与えてしまいます。
3つ目は、「カタカナ発音への過度な依存」です。日本語の母音は5種類ですが、現代韓国語には母音・二重母音を合わせて21種類もの音が存在します。ルビのカタカナだけを見て発音すると、「お」や「う」の区別(오/어、우/으)がつかず、名前や単語が正しく聞き取ってもらえない事態が頻発します。