長年にわたり「のせでんの顔」として君臨してきた1700系ですが、なぜ今、完全引退へと舵が切られたのでしょうか。その最大の要因は、車体・機器の深刻な老朽化と部品調達の限界にあります。
種車である阪急2000系の製造から既に60年以上が経過しており、全国の大手・準大手私鉄を見渡しても極めて異例の超長寿車です。長年の過酷な運用による金属疲労に加え、旧型の抵抗制御器や直流複巻電動機、電磁直通ブレーキ(HSC-D)といった昭和世代のコンポーネントは、保守用部品の製造中止が相次ぎ、維持管理の難易度が年々跳ね上がっていました。
これに拍車をかけたのが、省エネルギー性に優れた能勢電鉄7200系による置き換え計画の進展です。阪急7000系・6000系をベースにVVVFインバータ制御や回生ブレーキ、バリアフリー設備を完備した7200系は、消費電力量を大幅に削減。カーボンニュートラル推進とランニングコスト低減が急務となる現代の鉄道経営において、1700系から新世代車両へのバトンタッチは避けて通れない必然の選択でした。