今成の真骨頂は、プレーの精度だけにとどまらなかった。試合前のベンチやファン感謝デーで見せるパフォーマンス、同僚や先輩の物真似など、彼の周囲には常に笑い声が絶えなかった。重苦しいムードが漂うペナントレースの最中、ベンチの雰囲気を一瞬で変える力を持っていたのが今成である。
しかし、ただの「お調子者」で終わらないのが彼のすごみだった。打席に入れば眼光は鋭く変わり、相手投手の配球を冷静に読み切る。明るいキャラクターの裏側には、相手の心理を読み解く深いプロ意識と努力が隠されていた。ムードメーカーでありながら勝負師であるという二刀流の魅力が、多くの虎党の心を掴んで離さなかった理由である。