一般社団法人ペットフード協会や動物病院ネットワークの集計データから見えてくる、柴犬の死因ランキングの上位は、他の大型・中型犬種とは明確に異なる特徴を示しています。
柴犬の命を脅かす死因の第1位は悪性腫瘍(がん)です。特にリンパ腫や肥満細胞腫、血管肉腫の発生率が高く、外見からは見えない腹腔内や胸腔内で病変が進行するケースが後を絶ちません。第2位は心疾患・循環器不全、第3位には慢性腎臓病(腎不全)が並びます。さらに柴犬特有の傾向として極めて深刻なのが、日本犬特有の認知機能不全(認知症)の続発症です。
洋犬に比べて柴犬を含む日本犬は、高齢化に伴う認知症の発症リスクが高い犬種として知られています。夜鳴き、同一方向への旋回運動、狭い隙間に入り込んで後退できなくなるといった症状が現れ、これに伴う衰弱や事故が直接的・間接的な死亡原因へと繋がっています。これらに加え、柴犬がかかりやすい病気としてアレルギー性皮膚炎、白内障や緑内障などの眼科疾患、膝蓋骨脱臼(パテラ)が挙げられます。痛みを隠し我慢強い性質を持つ柴犬だからこそ、初期の微細な変化を飼い主が読み取らなければなりません。