ネット上の掲示板やSNSでは、ALTに関して様々な噂や誤解が飛び交っています。教育行政および現場の実務に基づき、3つの代表的な盲点を検証します。
誤解1:「ALTは民間の英会話スクール講師と同じ」という誤認
英会話スクールのネイティブ講師は、自由度の高い独自のメソッドや日常会話・資格対策を教える「民間サービスの提供者」です。一方、ALTは文部科学省の「学習指導要領」という厳格な公教育のルールに縛られています。学校が使用する検定教科書に沿った語彙・文法表現を教えなければならず、個人の裁量で勝手な授業カリキュラムを組むことは許されていません。
誤解2:「英語圏出身なら誰でも英語指導のプロである」という思い込み
多くのALTは熱心に指導に取り組んでいますが、母国で教育学や言語学を専攻していた人ばかりではありません。文学、経済学、理工系など多様なバックグラウンドを持つ若者が多く、来日後に初めて指導法を学ぶケースも一般的です。そのため、「ネイティブだから教え方が完璧」と思い込むのではなく、JTEによる教育的サポートと協働が不可欠です。
誤解3:お気に入りのALTが数年で交代してしまう理由
「子どもたちが慕っていたALTの先生が、わずか2〜3年で急にいなくなってしまった」という声を耳にします。これは能力の問題ではなく、契約制度上の縛りに起因します。JETプログラムでは原則最長3年(例外措置で最長5年)という滞在上限が定められているほか、民間派遣の場合は教育委員会が毎年行う競争入札で事業者が交代すると、担当ALTも強制的に変更されてしまうという制度上の現実があります。