SNSのショート動画や写真だけを見て日向山を訪れるライト層が増えたことで、現場では深刻なミスマッチと危険行動が散見されます。ネット上で拡散される「スニーカーで散歩感覚で行けるビーチのような山」という言説は、極めて危険な誤解です。
最大の日向山登山の危険箇所と注意点は、まさに絶景が広がる雁ヶ原そのものに潜んでいます。白い砂浜は踏み込むと足が沈むほど深く、斜面全体が急峻なザレ場(小石や砂が堆積した滑りやすい地形)となっています。さらに、砂浜の端はそのまま数百メートル切れ落ちた垂直の断崖絶壁(錦滝方面の崩壊地)に直結しています。
甲斐駒ヶ岳方面から吹き下ろす局地的な突風が吹いた場合、砂に足を取られてバランスを崩し、そのまま崖下へ滑落するリスクが常に存在します。実際、山頂で写真撮影に夢中になるあまり足元を滑らせ、ヒヤリハットを経験する登山者が毎年多数報告されています。
砂地でのグリップ力を確保し、足首を砂の侵入や捻挫から守るためにも、ローカットのスニーカーではなくミドルカット以上のしっかりした登山靴の着用が必須です。また、下山時の転倒防止にはトレッキングポールが絶大な威力を発揮します。