舞浜の天気が一般的な天気予報と食い違う最大の要因は、東京湾の最奥部に突き出た埋立地特有の地形にあります。舞浜エリアは三方を海に囲まれており、陸地と海面の温度差によって生じる局地風「シーブリーズ(海風)」の直撃を絶え間なく受けます。
特に春先から秋口にかけての日中、内陸部が温められて上昇気流が発生すると、冷たい東京湾から一気に秒速数メートルの南風が吹き込みます。気象庁が浦安市に対して発令する舞浜海風強風注意報は、東京都心ではそよ風程度の日であっても舞浜では白波が立ち、木々が大きく揺れるほどの突風を引き起こす主因です。
さらに、気象庁のアメダス観測地点の配置にも盲点があります。浦安市内には風速を精密に測るアメダス観測所が存在せず、公的な観測データは対岸の東京都江戸川区にある「江戸川臨海」や羽田空港、千葉市などの数値を外挿して計算されるケースが少なくありません。東京ディズニーランドのシンボルであるシンデレラ城周辺や、東京ディズニーシーのプロメテウス火山を取り囲むメディテレーニアンハーバーは、巨大な人工建造物によって風が収束する「ビル風(局地強風)」が発生しやすい構造をしています。広域の平坦なシミュレーションと、現地の地上数十メートルで吹く風との間に大きな乖離が生じるのは、この物理的環境が背景にあります。