漢字の読み方を正しく判別する第一歩は、漢字が日本に伝来した歴史的背景を理解することにあります。漢字は古代中国で生まれた文字であり、当時の日本には文字が存在せず、話し言葉(大和言葉=やまとことば)のみが使われていました。
音読みとは、中国から漢字が日本に入ってきた当時の発音をベースにした読み方です。例えば「山」を「サン」、「川」を「セン」、「水」を「スイ」と読むのがこれに該当します。中国語の発音が起源であるため、基本的に漢字一文字の音だけを口頭で発しても、現代の日本人には具体的なイメージが伝わりにくいという顕著な特徴を持っています。
一方の訓読みとは、すでに存在していた日本の話し言葉(大和言葉)の意味を、中国から輸入した漢字に当てはめた読み方です。「山」という漢字を見て「やま」、「川」を見て「かわ」、「水」を見て「みず」と読むのは、日本人が昔から使っていた言葉そのものを文字に対応させたためです。そのため、その音を聞くだけで頭の中に具体的な物体や動作のイメージが瞬時に浮かび上がります。