利用者のモラルが問われる昨今、郷土の森公園バーベキュー場で最も厳しく取り締まられているのが火気と環境美化に関するルールです。「河原だから少しくらい大丈夫だろう」という安易な思い込みは、一発で退去指導の対象となります。
まず絶対に厳守すべきなのが直火の全面禁止です。河原の石を組んで炭を起こす行為や、地面に薪を置いて直接火を灯す行為は条例および利用規約で固く禁じられています。地面の芝生や土壌へのダメージを防ぐため、必ず脚付きのバーベキューコンロ、グリル、または十分な地上高を持つ焚き火台を使用しなければなりません。近年のアウトドアブームに伴い、2026年現在は焚き火台の下に敷く「耐熱スパッタシート(防炎シート)」の併用が実質的なマナー標準として現地でも強く推奨されています。
次に、トラブルの火種となりやすいのがテントやタープの設営ルールです。日除けのためのワンタッチサンシェードや、ペグでしっかり固定された小型ヘキサタープの設営自体は認められています。しかし、以下のような行為は明確に禁止されています。
- 区画を過度に占有する超大型シェルターや複数の大型タープ連結
- 夜間をまたぐ宿泊目的のテント設営(キャンプ行為の禁止)
- 河川増水時の避難経路や公衆通路を塞ぐ形でのペグ打ち・ロープ張り
多摩川河川敷は風を遮る遮蔽物がなく、突発的な強風(ビル風や吹き下ろし)が吹き抜ける特性があります。プラスチック製の簡易ペグでは突風でタープが吹き飛ばされ、他者の車や子どもに直撃する事故が過去に発生しています。設営時は金属製の頑丈なペグを使用し、強風時は速やかにタープを畳む判断が求められます。
さらに見落とされがちなのが、水回り設備とゴミ持ち帰りのルールです。堤防付近にある水道設備は、あくまで「手洗いや簡単な給水」を目的に設置された公共設備です。配管詰まりや水質汚染を防ぐため、油でギトギトになったバーベキュー網、鉄板、食器類を洗剤を使って洗う行為は固く禁止されています。使い終わった食器はウェットティッシュやキッチンペーパーで汚れを拭き取り、ビニール袋へ密閉して自宅へ持ち帰ってから洗浄するのが鉄則です。
当然ながら、生ゴミや空き缶はもちろん、燃え残った消し炭や灰の放置も不法投棄とみなされます。現地に灰捨て場は用意されていません。完全に消火した上で密閉できる「火消し壺」を必ず持参し、灰の1粒まで残さず持ち帰ることが利用者の絶対的な責務です。