「1日数十万人が行き交う大ターミナル駅なのに、なぜ出店していないのか?」という疑問が生じるのは当然です。その背景には、アパレル・インテリア業界特有の出店戦略と商圏設計が関係しています。
まず、駅直結の2大商業施設であるフランフラン 北千住 ルミネとフランフラン 北千住 マルイのテナント構成を確認してみましょう。両館ともにライフスタイル雑貨のフロアは非常に充実しており、無印良品、ロフト、ハンズ、KEYUCA、3COINS、PLAZAなどがひしめき合っています。すでに生活実用雑貨のパイは極めて高く飽和している状態です。
専門的な店舗開発の視点から北千住 フランフラン 理由を分析すると、以下の2つの決定的な要因が浮かび上がります。
第1に、「既存隣接店舗とのカニバリゼーション(自社競合)の回避」です。北千住は常磐線・日比谷線・東武スカイツリーライン・千代田線・つくばエクスプレスが結節する交通の要所です。しかし裏を返せば、上野まで約9分、錦糸町や押上(東京スカイツリータウン)まで約10〜15分という至近距離に位置しています。すでにこれらの周辺拠点にブランドを代表する有力店舗が存在するため、北千住に新規出店すると近隣店舗の顧客を奪い合ってしまうリスクがあるのです。
第2に、「街の消費特性とブランドターゲットの乖離」が挙げられます。フランフランが得意とするのは、一人暮らしの女性や新婚層に向けた「感性・トレンド・デザイン重視のギフト&フェミニン空間」です。一方で北千住駅の利用客層は、足立区・葛飾区・埼玉・茨城方面を結ぶ広範な通勤・通学動線であり、日常の生活必需品や機能性・コストパフォーマンスを重視する堅実な購買傾向が根強く見られます。商業ディベロッパーとブランド側の出店採算ラインのシビアな計算が、これまで常設出店を見送ってきた背景にあります。