育成契約を巡る制度の中で、ファンが最も混乱しやすいのが「プロ野球 育成再契約 自由契約」を巡る手続きです。NPB規約には「育成選手入団後、3シーズンを経過した選手は、その年の10月31日をもって自動的に自由契約選手として公示される」という、いわゆる育成契約の3年ルールが存在します。
この規程の本来の趣旨は、球団が安易に若手を低年俸で囲い込み、他球団で一軍のチャンスがある選手を飼い殺しにすることを防ぐ点にあります。自由契約公示されれば、原則として12球団のどこからも支配下オファーを受けることが可能になります。
しかし、現場の運用実態は形骸化している側面も否めません。多くの球団は、シーズン終了直後に3年を満了した選手を形式的に自由契約とし、その数日後あるいはオフの間に「育成再契約」を結び直します。他球団も暗黙の了解として、相手球団が再契約を前提としている選手に手を出しにくい空気が醸成されており、選手会側からも「ルールの骨抜きではないか」と改善を求める声が長年挙がっています。
2026年現在のプロ野球育成規程においても、三軍・四軍制を敷く球団と、選手保有数を最小限に抑えたい球団との間で、育成枠の拡大と制限を巡る綱引きが続けられています。