オロチやエンマ大王がコアファンの熱烈な支持を集める一方で、作品の屋台骨として揺るぎない土台を築いているのが、ジバニャンとコマさんの看板ツートップです。この2体がなぜ10年以上の長きにわたり国民的アイコンであり続けられるのか、その理由は極めて綿密に計算されたキャラクター造形にあります。
まずジバニャン人気の秘密として外せないのが、「車に撥ねられて死んだ元飼い猫の地縛霊」という、児童向けアニメとしては異例なほど生々しく哀切な出自です。大好きな飼い主エミちゃんのために「交差点を通るトラックを肉球で止めようとする」という健気で無謀な行動原理は、ギャグ描写の裏に潜む確固たるエモーショナルな芯となっています。怠け者でチョコボーが大好き、アイドルに目がない俗物的な可愛らしさと、時折見せる純粋な忠誠心という二面性が、老若男女の庇護欲を刺激してやみません。
一方、コマさん可愛い評判を支えているのは、徹底した「純朴さ」と「癒やし」の記号化です。神社のお守り狛犬が居場所を失い都会に出てきたという設定、驚いた際に出る「もんげー!」という岡山弁ライクな方言、そして語尾の「〜ズラ」。アニメ版で描かれた「コマさん〜はじめてのタワー編〜」や会社員編で見せた、悪意のない天然ボケが周囲を奇跡的に幸せにしていく物語展開は、多忙な現代人の心を浄化するセラピーのような役割を果たしました。弟のコマじろうを思いやる兄としての優しさも含め、全方位から愛される究極の癒やし枠として不動の地位を保っています。