年収1000万円という響きは魅力的だが、手元に残る現金、いわゆる「手取り額」の現実を知ると印象は大きく変わる。
厚生労働省の「国民生活基礎調査」などが示す世帯所得の推移からも読み取れる通り、日本の累進課税制度と社会保険料の引き上げは、高所得者ほど強く作用する仕組みだ。年収1000万円の給与所得者の場合、所得税・住民税・社会保険料を差し引いた後の手取り額は、およそ700万円から750万円前後にまで減少する。実に約4分の1以上が控除される計算だ。
さらに配偶者控除の適用外や各種児童手当の所得制限など、公的支援の対象外となるケースも多い。都心部で生活し、子育てや住宅ローンを抱える30代にとっては、「高年収層」というイメージほどの富裕感を得にくいのが冷徹な現実といえる。