近年、従来の針刺し標本に加えてインテリアやデスクオーナメントとして人気を集めているのが、透明な樹脂に個体を封入する「レジン標本(樹脂標本)」だ。標本箱のように衝撃で破損する心配がなく、360度あらゆる角度から手にとって観察できるメリットがある。
レジン標本を成功させる最大の鍵は、「針刺し標本以上に完全乾燥させること」である。個体の体内にわずかでも水分が残っていると、レジンの中で腐敗ガスが発生して濁りや変色が生じたり、周囲に大量の気泡が湧き上がってしまう。
【レジン標本製作の注意点】
- レジンの選定:熱収縮が少なく透明度が高い「2液性エポキシレジン」を使用する(UVレジンは大型個体の場合、光が中まで届かず硬化不良を起こしやすい)。
- 気泡対策:クワガタをいきなり一発で流し込むのではなく、まずシリコンモールドに薄く底板となるレジンを流して硬化させ、その上に個体を配置。その後、隙間に筆でレジンを塗り込んで気泡を抜いてから、2〜3回に分けて層状にレジンを流し込む。
レジン封入前に無水エタノールに短時間浸して脱脂・脱泡処理を行っておくと、毛と毛の間に残った空気が抜け、クリスタルのような圧倒的な透明感を誇る美しい標本に仕上がる。