スピード感とアスリート化が急激に進む現代の大相撲。その潮流の中で、彼が魅せた相撲はどこか異色であり、だからこそ観客の心を惹きつけて離さなかった。引き締まった筋肉質の体型が主流となるなか、どこか懐かしさを感じさせるフォルムと、泥臭く粘り強い取り口。館内に「明瀬山!」の大歓声が響き渡る光景は、平成から令和の土俵における象徴的な名場面の一つだ。
けっしてエリート街道をまっしぐらに突き進んだわけではない。度重なる怪我や番付の上下を経験しながら、愚直に自分の相撲を磨き続けた。その泥臭い泥臭さに、ファンは自身の人生を重ね合わせ、惜しみない拍手を送っていた。