人口問題に関する最大の誤解は、「このままいけば世界人口は100億人、120億人と無制限に増え続け、地球がパンクする」という終末論的なシナリオです。しかし、最新の人口統計学は全く別の未来図を描き出しています。
長らく国連の標準予測では「21世紀末に約110億人で頭打ちになる」とされていましたが、国連世界人口白書最新データおよび最新の人口推計改訂版では、世界人口ピーク時期と減少予測が大幅に前倒し修正されました。最新の国連中位推計によると、世界人口は2080年代半ばに約103億人でピークを迎え、2100年には約102億人へと減少に向かうと予測されています。
さらに、米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)による権威ある研究モデルでは、さらに踏み込んだ予測が示されています。教育の普及と避妊アクセスの向上により世界的な出生率低下は国連の想定よりはるかに速く進んでおり、2060年代に約97億人でピークに達し、2100年には88億人規模まで一気に縮小するという試算です。
つまり、世界人口100億人到達予測そのものが、今後の出生率の落ち込み次第では達成されない可能性すら浮上しています。世界人口の約3分の2がすでに「人口置換水準(2.1)を下回る国」に居住しており、人類全体が歴史的な人口減少社会への助走期間に入っているという事実は、一般にはまだ十分に認知されていません。