ヘアサロンの現場やヘアカタログの動向を追うと、チョコレートブラウンの指名率は前年比でも明確な伸びを見せています。ホットペッパービューティーなどのサロン予約データやスタイル検索の動向でも、「まろやかさ」「艶感」をキーワードに検索するユーザーが急増しています。かつては「無難なオフィスカラー」と見なされることもあったブラウン系が、今や感度の高い層から指名される主役カラーへと変貌を遂げた背景には、確たる理由が存在します。
チョコレートブラウンで垢抜ける決定的な理由は、日本人の髪特有の赤みやオレンジみを完全に抹殺するのではなく、暖色特有の「ツヤと潤い」へとポジティブに変換する点にあります。アッシュ系やオリーブ系のような寒色マットカラーは、ブリーチなしの黒髪ベースに施すと時に肌がくすんで見えたり、毛先がパサついて見えたりするリスクを孕んでいます。対してチョコレートブラウンは、カカオのような深いコクとほのかな温かみを宿しているため、光を反射するキューティクルの面を均一に見せ、まるで上質なトリートメントを施したかのような視覚的ツヤを生み出します。
さらに、オフィスや学校の規定が柔軟になりつつある現在、派手さを主張するのではなく「手入れの行き届いた上質な髪」を演出することが大人の洗練されたステータスとして認識されるようになりました。InstagramなどのSNSでも、フォロワー数万人を抱える人気スタイリストたちが「美肌見えする9〜10トーンのチョコレートブラウン」を相次いで発信しており、肌色をパッと明るく見せるレフ板効果が口コミを通じて広く浸透しています。