GSKの最大級の強みであり、他社が容易に追随できない参入障壁となっているのがグラクソ・スミスクラインワクチン事業です。特に帯状疱疹ワクチン「シングリックス」は、90%を超える極めて高い予防効果を武器に世界的なメガヒットを記録し、日本国内でも定期接種化に向けた議論の後押しを受けて売上を力強く牽引しています。
さらに注目を集めているのが、高齢者向けRSウイルスワクチン「アレックスビィ」の市場投入です。これまで有効な予防手段が限られていたRSウイルス感染症に対し、世界に先駆けて実用化を果たしたことで、ワクチン領域における技術的優位性を改めて世に知らしめました。同社は2030年までに25億人以上の人々の健康に好影響を与えるという壮大な目標を掲げており、この数字は単なるスローガンではなく、ワクチンのグローバル供給網によって裏付けられています。
一方、中長期的なGSK新薬パイプラインにおいても、従来のプライマリケア(生活習慣病領域など)から、抗がん剤や抗体医薬などの高度なスペシャリティケアへの転換が急ピッチで進んでいます。子宮内膜がん治療薬「ジェンペルリ」をはじめとする免疫チェックポイント阻害薬や、長寿命型HIV治療薬の開発が進展しており、既存主力品の特許切れ(クリフ)を乗り越える手応えを着実に掴みつつあります。これらパイプラインの進捗こそが、外資系製薬GSKの将来性を占う決定打となっています。