国立新美術館の館内は、建築物としての見応えもさることながら、映画のアングルをそのまま切り取れるポイントが点在しています。現地を訪れた際に押さえておきたい主要な視覚的見どころを整理しました。
第一のポイントは、3階の連絡通路(スカイブリッジ)から2階のカフェを見下ろすアングルです。映画の中で、瀧と奥寺先輩が並んで座る姿をやや上方から俯瞰で捉えた象徴的なカットが存在します。この視点は、3階の展示室ロビー付近から2階の円錐形デッキを見下ろす位置と一致します。逆円錐のコンクリートの質感と、周囲を覆うガラスウォールの幾何学的な木漏れ日が織りなす構図は、映画を観た人なら誰もが一息息を呑む景観です。
第二のポイントは、波状ガラスのファサードを内側から見渡す1階ロビーです。ガラスのルーバー越しに外の木々の緑が揺れる様子は、作中で待ち合わせに向かう瀧の緊張感と、六本木という都会のスケール感を同時に表現していました。午後の時間帯には床面に格子状の光と影が長く伸び、新海作品特有の「光の描写」を自らの目で体感できます。
第三のポイントは、1階から2階へと昇る直通エスカレーターからの視界です。エスカレーターに乗って上昇するにつれ、巨大な円錐の全貌が視界いっぱいに広がるダイナミズムは、建築探訪としても一級の体験を与えてくれます。