スポーツの熱気と対照的な静寂が広がるのが、古くから「けひさん」の名で親しまれてきた気比神宮だ。日本三大木造大鳥居の一つとされる朱塗りの大鳥居をくぐると、外界の喧騒が嘘のように消え去る。松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅路で立ち寄り、月夜の美しさを詠んだことでも知られる由緒ある聖地だ。
境内に一歩足を踏み入れると、樹齢数百年の大木が木漏れ日を落とし、心地よい緊張感が漂う。近年は御朱印集めの若者や外国人観光客の姿も目立ち、静かなブームが続いている。参道の門前町では、名物の昆布製品や和菓子を味わいながら散策する人々の笑顔が弾けていた。