頑強な防腐性を持つはちみつであっても、水分混入によって「耐浸透圧性酵母」が繁殖すると品質が不可逆的に崩壊します。以下のような兆候が一つでも見られる場合は、直ちに廃棄を検討してください。
1. 酸っぱい刺激臭やアルコール臭がする
蓋を開けた瞬間に、鼻をつくような酸味のある匂いや、ワイン・日本酒のようなツンとした発酵臭が漂う場合は、内部で酵母菌が増殖して糖分をアルコールと炭酸ガスに分解しています。
2. 表面に継続的な細かい気泡が立ち、吹きこぼれる
単なる充填時の空気泡ではなく、内側からプツプツと絶え間なく炭酸ガスの泡が湧き上がっていたり、蓋を開けた際に炭酸飲料のように「プシュッ」と内圧が抜けて溢れたりする場合は、明らかな発酵のサインです。
3. 液体が極端にサラサラ・水っぽくなっている
湿気を吸い込んで水分含有率が20%を大きく超えると、粘度が失われて水っぽくなります。この状態は雑菌の増殖を許す危険水域です。
4. 表面や内壁にフサフサしたカビが生えている
パンくずやバター、唾液の付着したスプーンを入れたことで異物に青・黒・緑のカビが発生している場合、カビ毒が内部に拡散している恐れがあります。
なお、「全体が黒っぽく変色する」現象については、はちみつに含まれるアミノ酸と糖が反応するメイラード反応によるものが大半であり、異臭がなければ品質上の害はありません。ただし、熟成香が強まり風味が変化するため、後述の加熱調理用途へ切り替えるのが合理的です。