八波むと志が非業の死を遂げたとき、遺された家族の中には当時まだ9歳だった長男・八波一起(本名:巻幡展男)の姿がありました。幼心に焼き付いたのは、優しく偉大だった父の温もりと、突然訪れたあまりにも早すぎる別れでした。
父親の記憶が途切れてしまった寂しさを抱えながらも、成長した八波一起は父と同じエンターテインメントの世界へ飛び込みます。1970年代からタレント・司会者・スポーツキャスターとして頭角を現し、朝の情報番組やワイドショーのリポーターとしてお茶の間の人気者となりました。
温厚で誠実な人柄、誰からも愛される親しみやすさは、まさに父・八波むと志から受け継いだ天性の資質です。八波一起はメディアで父について語る際、「父が生きていたらどんなアドバイスをくれただろうか」と敬愛の念を込めて振り返っており、その絆は時代を超えて息づいています。