洗練された新店が台頭する一方で、何十年も変わらぬ味と佇まいで地元民の胃袋を支え続ける大衆食堂の存在感も圧倒的だ。使い込まれたカウンター、壁一面に貼られた手書きの短冊メニュー、厨房から響く中華鍋の快音。
山盛りの千切りキャベツに寄り添う大判のロースカツ定食や、煮込みダレが芯まで染みたもつ煮。どれも気取った飾り気はないが、一口食べれば長年愛されてきた理由が瞬時に理解できる。昼時ともなれば作業着姿の常連客と近隣の家族連れで席が埋まり、フロアを切り盛りする女将さんの威勢のいい声が飛び交う。街の温度を肌で感じる、無骨で力強いローカルフードの原点が息づいている。