リップロールが一定時間できるようになった段階で、多くの人が陥る落とし穴が「無秩序な音程 練習」と「過剰なトレーニング時間」です。
サイレンのように低音から高音へ音程を滑らかに上下させるスケール練習は効果的ですが、高音域に差し掛かった際に唇の振動が止まる場合は、喉周辺に力みが入っている明確なサインです。振動が途切れる限界の音域で無理に張り上げると、かえって発声の癖を悪化させる原因になります。
また、「早く上達したいから」と毎日 やりすぎる行為も逆効果を招きます。リップロール自体は声帯への負荷が低いトレーニングですが、口周りの筋肉や呼吸筋の疲労が蓄積すると、フォームの乱れを引き起こします。1日あたり3〜5分程度の集中したメニューで十分な効果が得られます。
【プロの結論】リップロール練習が向いている人・見直すべき人の判断基準
リップロールは極めて汎用性の高い練習法ですが、現在の声の状態や目的に応じて向き不向きが存在します。
【リップロールを積極的に行うべき人】
・歌うとすぐに喉が枯れる、または首筋に力が入ってしまう人
・高音域で声が裏返る、あるいは叫ぶような張り上げ発声になってしまう人
・本番前やカラオケ前の効率的な声帯ウォーミングアップ法を探している人
【一度アプローチを見直すべき人】
・声帯炎や結節など、すでに喉に明らかな炎症や痛みがある人(まずは耳鼻咽喉科での休養が最優先)
・リップロール時に顎が過剰に前に突き出たり、肩が上がってしまう人(姿勢や呼吸法の根本改善が先決)