2013年の閉校後、最も注目されているのが「残された広大な敷地と校舎の跡地利用」です。茨城県立八千代高等学校の現在の状況は、地方都市が直面する廃校活用の先進事例としても関係者の熱い視線を集めています。
閉校後、県から町への施設移管や利活用に関する検討委員会が重ねられました。八千代町は全国屈指の白菜生産地であり、農業と地域産業の拠点化、あるいは大規模災害時に役立つ広域防災拠点としての機能整備が議論されてきました。体育館やグラウンドは、地域のスポーツクラブや町民の健康増進の場として定期的に開放され、住民の憩いの場としての役割を維持しています。
さらに近年では、茨城県内のフィルムコミッションと連携し、昭和・平成の面影を残す校舎や教室を活用したドラマ・映画・ミュージックビデオのロケ地としての需要も生まれています。取り壊して更地にするのではなく、建物を保全しながら新たな価値を創出する取り組みが進められている点は、地域の記憶を守る上でも極めて意義深い動きです。
一方、同窓会活動に関しては、大規模な総会こそ閉校に伴い一段落したものの、ウェブ上や有志のコミュニティを通じて定期的な情報交換が行われています。八千代町唯一の高校として輩出した数千人の卒業生たちは、現在も地域の産業や行政の中核を担い続けています。