盲導犬をはじめとする補助犬は、誰にでもなれるわけではありません。日本盲導犬協会などの育成団体において、子犬期をパピーウォーカーと呼ばれるボランティア家庭で愛情いっぱいに過ごしたあと、専門的な訓練段階へと進みます。その過程で、犬自身の性格や健康状態、ストレス耐性を極めて慎重に見極める適性評価が行われます。
最終的に盲導犬としてデビューするのは、候補犬全体のおよそ3割から4割程度にとどまります。残りの約6割から7割の犬たちが、適性に合わせて進路を切り替える「キャリアチェンジ犬」となります。かつては「不適格犬」や「適外犬」といった言葉で呼ばれることもありましたが、犬の個性や尊厳を尊重する観点から、現在では「キャリア(経歴・生き方)をチェンジ(転換)する」という前向きな呼称が広く定着しました。
彼らの進む道は実に多彩です。一般家庭のペットとして迎えられるケースが大半ですが、人懐っこさを活かして高齢者施設や小児病棟を訪れるセラピー犬として活躍する犬や、学校などで動物介在教育に携わる犬も存在します。