ネット空間で人物名が一人歩きする際、しばしば深刻な弊害をもたらすのが「同姓同名の混同」と「情報カスケード」の罠です。珍しい響きを持つ名前であっても、日本全国の戸籍・住民基本台帳ベースで見れば同姓同名が存在するケースは決して稀ではありません。
過去の炎上事例や人物プロファイリングの過ちを分析すると、ある事象で名前が出た人物と、全く無関係な同姓同名の人物のSNSアカウントや企業在籍情報が紐付けられ、無関係な一般人が誹謗中傷の標的となる悲劇が度々起きています。今回の件においても、「過去に存在した歴史的人物や古典・フィクションのキャラクター」や「他業種で実在する同名人物」のデータが無秩序に混入している傾向が顕著です。
ネット利用者が「多くの人が言っているから正しいに違いない」と思い込み、連鎖的に再共有を繰り返す情報カスケードが発生すると、当初は単なる推測に過ぎなかった情報が、いつの間にか既成事実として定着してしまいます。情報の受取手は、出所不明の断定的な語り口に惑わされないリテラシーが求められます。