歌舞伎町ヤクザマンションの現在|潜入ルポで迫る住民と治安の真相

歌舞伎町ヤクザマンションの現在|潜入ルポで迫る住民と治安の真相

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長年にわたりアンダーグラウンドの要塞として機能していた物件に劇的な転換点が訪れたのは、2011年に全都道府県で施行された暴力団排除条例(暴排条例)と、それに伴う警察当局の徹底的な集中取り締まりでした。暴排条例が歌舞伎町のマンションに適用されたことで、暴力団事務所としての使用を禁止する規約の改正が進み、暴力団関係者に対する新規の賃貸契約や銀行口座の利用が事実上不可能となりました。

さらに決定打となったのは、一般住民や管理組合が警察・弁護士のバックアップを受けて起こした「事務所使用差し止め請求訴訟」です。報復の恐怖を乗り越え、司法の手続きを通じて明渡し命令を勝ち取った結果、威圧的な鉄扉や監視カメラは撤去され、組織的な組事務所は完全に排除されるに至りました。

しかし、事務所の一掃に成功したにもかかわらず、「歌舞伎町ヤクザマンションの取り壊し」は2026年の現在に至っても実現していません。その最大の理由は、日本の区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)が定める高い再開発ハードルにあります。数百人規模に及ぶ区分所有者のうち、建て替え決議には5分の4以上の賛成が必要となりますが、所有者の中には連絡が取れない個人や海外投資家、低廉な投資用利回りを享受し続けたいオーナーが混在しており、合意形成が絶望的に困難なためです。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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