ベンチプレスバーの重さは何Kg?20Kg神話の落とし穴と計算術

ベンチプレスバーの重さは何Kg?20Kg神話の落とし穴と計算術

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「20kgだと思い込んでトレーニングを続けていたら、実は10kgのシャフトだった」「別のジムで同じプレートを付けたらビクともしなかった」――これはSNSのトレーニングコミュニティや知恵袋などの相談窓口で頻繁に見受けられる典型的な告白だ。取材を進めると、この誤認が生じる背景には、フリーウェイト器具の標準化と商業ジムの設備選定のギャップが存在することが分かった。

国際パワーリフティング連盟(IPF)や国際ウエイトリフティング連盟(IWF)の公式大会で男子カテゴリーに採用されている規格は、全長2,200mm、重量20kgのオリンピックバーである。日本の大手フィットネスクラブや本格的な24時間ジムのフリーベンチ台に置かれている黒や銀の長いシャフトの多くは、この20kg規格に準拠している。そのため、ベテラントレーナーや筋トレ系発信者が「バー=20kg」と当たり前のように語り、それが初心者の間で無条件の常識として刷り込まれてきた経緯がある。

しかし、フィットネス器具メーカーの開発担当者へのヒアリングや現場検証によると、実際には同じ形状に見えても女性用バーベルの重さ15kg仕様のシャフトや、ホームジムおよびライト層向け施設に多い全長1,800mm前後・重量10kg前後のスタンダードバーが広く普及している。シャフトの端にあるスリーブ(プレートを差し込む回転部)の直径が50mmであればオリンピック規格である可能性が高いものの、握るシャフト部分の太さが25mmと細身のものは15kgで作られているケースが珍しくない。「棒の重さはどれも同じ」と錯覚したまま重量設定を行う行為は、自らの現在地を見失うリスクを孕んでいる。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。